木苺の棘
湿った洋服を手に持ち
私は、漣の元へ

「レン、洋服
 どこに干せばいい
 ・・・?」

貴方は、携帯電話で誰かと
話している様子で、私を
見つめて、唇に人差し指を
立てた。

「・・・
 それから、雨に濡れた
 服を入れる袋も・・・

 ああ、お前にしか頼めなくて
 せっかくの休日にすまない

 彼女さんにも、宜しくと
 伝えてよ
 
 じゃあ、後で」

通話を切った貴方に私は問う。

「ここへ、誰か来るの?」

「ああ、着替えをチアキに
 後で届けてもらう事に
 した」

「チアキ先輩が、ここに?
 どうしよう、こんな格好
 恥ずかしい・・・」
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