木苺の棘
ここは、私の職場
賑わう店内・・・

常連のお客様の接待をしている
私に指名が入り、席を立つ私を
見つめる人がいた。

その男性は、隅の席に座り
持っていた写真と私の顔を
照らし合わせている。

「どうかしましたか?」

「いや、何でもないよ
 彼女、綺麗な人だね?」

「ああ、モカさん・・・

 当たり前ですよ
 彼女は、このお店の
 ナンバー2ですよ」

その男性は、何かを
探っているようだった。

そんな事とは、知らない私。

指名された新規のお客様の
元へ。

「指名、ありがとうございます
 モカです・・・」

煙草に火をつける、その男性は
私の方を見る事無く、煙草の先
ライターの火をじっと見つめて
いる。

誰も寄せ付けない、その風貌。

近づけない・・・
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