木苺の棘
私は、どうすればいいの?

戸惑う私からは、笑顔は消え
その場に立ち尽くしていた。

「座って」

それだけ言って、男性は
ライターの火を消し
煙草を吸う。

その男性の横顔は
どこと無く、巽に似ている
ように思えた。

危ない雰囲気・・・

変な、緊張が私を支配して
いつものように上手に
微笑むことができない。

引きつる表情・・・

しばらく時は過ぎ・・・
貴方は私を見て話し出す。

「綺麗だな
 ・・・
 アイツが惚れただけある」

アイツ・・・?

「今日、ここへ来たのは
 これを君に渡したくて・・」
< 408 / 674 >

この作品をシェア

pagetop