木苺の棘
『アリス
 もう、逃げないで』

『俺は、アリス
 お前が好きだ』

『一緒になろう』

『どうしても
 お前に逢いたい』

『俺は、もう
 お前を放さない』

『早く帰って来てよ』

私、なんて馬鹿なんだろう

漣はこんなにもたくさんの
愛の言葉を私にくれた。

どんな時も、漣は私だけを
愛してくれたのに・・・

『アリス、愛してる』

『また
 俺から逃げるの?』

ううん

今度は逃げたんじゃない

貴方を、選ばなかっただけ・・

そんな私に、貴方は愛想を
つかしただけ・・・

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