木苺の棘
「俺は思う
 
 これから
 なんじゃないの
 
 お前らが幸せなら
 ヤエも幸せだ」

チアキ先輩の言葉は私達の
胸を打つ。

漣の手が、私の手に触れ
握り締めた。

歩道に立つ、私と漣は
車の窓を覗き込む。

開く、窓・・・

「チアキ先輩、今日は
 ありがとうございました」

「おう、今から
 クリスマスしろよ
 
 あっ、アリス、これ
 
 こんな大事なもん
 置きっぱなしにすんなよ

 今度は無くしても
 一緒に探してやらないぞ
 
 大切にしろよ」

「はい、大切にします」
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