幼なじみは俺様彼氏
◎奏汰



楓の声が出なくなった?




嘘だろ!?





親父からの電話をもらったあと、仕事をはやく終わらせて病院に向かった。




昨日、香保里の部屋に行った楓。




香保里が慌てて出てきて、親父も慌てていて。




もうわけがわからなかった。




わかることは、俺が傷つけたってことだけ。






「「あ…。」」

「あ…。」





病院の入り口でいつもの4人+親父に会った。





「楓のお見舞い?」

「あぁ…。」

「…奏汰クンまぢムカツク!!」

「神楽…落ち着け。」




殴りかかる勢いだった神楽を洸輔がとめる。




でも、洸輔も…郁も紗和の目にも怒りがあった。





親父だけは、無表情だった。





「奏汰…それでも楓は、お前のことばっかだったぞ。」

「え…?」

「楓は大事な友達。傷つけた奏汰は許さない。でも…楓は奏汰を待ってんの。」




楓は…声が出なくなっても俺を恨まないのかよ?




まだ…好きでいてくれてる?




俺は楓の病室に走った。





「楓!!」




振り返った楓はいつもと同じ笑顔。




でも、「奏汰!!」とは言ってくれなくて、急いで紙に『奏汰!!』と書いた。




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