幼なじみは俺様彼氏
「楓…ごめん、ごめんな…。」




ベッドに近寄って楓を抱きしめた。




楓も抱きついてきたけど、音声はなかった。





「香保里…ありがと。」

「ううん。あたし、飲み物買ってくる。」




香保里は気を使って出ていった。





「俺のせいだよな…。」

『なにが?』

「ストレスなんだろ?」

『うん。でも、あたし何がストレスなのかわからない。』

「…そっか。」




きっと全てだと思う。




でも…どうしたらいい?




俺しか治せない?





『みんなが来て楽しかった。でも声は出てくれないの。』




悲しそうに笑う楓。




そんな顔させたくない…。




「俺といて辛くないの?」

『なんで?なんでそんなこと言うの?』

「…。」

『あたしには奏汰が要るの。声が出なくて怖くて奏汰に会いたかった。でも奏汰にはあたしがジャマなの?』

「そんなわけあるかよ…!!」





あるわけない、そんなこと。




俺だって楓がいないとダメなのに。





「ちょっと待っててな?」




楓は軽く頷いて手を振った。




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