花嫁の証


『私と共に来い
我が花嫁よ』




アベルがあたしの
顎を人差し指と
親指で持ち上げる





「あなたの所に行く
だから…」





だから……
あたしさえ
あたしさえいなければ






「もう人間には
手を出さないで

永遠にあたしだけの
血を飲んで…

愛してるのなら…」





大切な人達を
傷付けてしまうくらいなら




ヴァンパイアの
食の糧になっても
構わない







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