空が恋で満ちる時
彼は語り始めた。
自分は妖怪であるということ。
(…はぁ? よーかいぃ?)
昔、自分の弟を私の父に
助けてもらったということ。
(へぇー)
その恩を返せぬまま、
ずっと抱いていたということ。
(ふーん)
父が死んだのは病気ではなく、
悪い妖怪のせいだということ。
(は……?)
そして、今日から
ここで暮らすということーー。
(ちょ………え?)
「…ということじゃ。
よろしくな、ヒメ」