自伝
あの日、突然私の前に現れた佳祐。
まだ、1ヵ月位しか付き合ってないけどいつも一緒にいたじゃん…。

「まっ、そんなとこなんだ…でも、本当に綾のこと『大好きだった』よ」

「だから余計…自分が嫌になって来たんだ」

そう言いながら私を抱きしめた。

「本当にごめん」

言葉がみつからない
ただ、涙だけがこぼれてた。

「綾を騙してこのまま先には行けないんだ。」

「全部嘘なんだ…
頼まれたから?
ひどいよ」

「だから…ごめん」

少し力強くギュッとした。

佳祐はそれ以上なにも言わず、そっと私から離れてただ、頭を下げてた。

街にはジングルベルだけが鳴り響いてた。

そっか、今日はクリスマスイブじゃん…
バイトの帰り道、佳祐の家に向かった。私の手にはバイト代で買った私と色違いの手袋がある。

「あの時の出会いは運命だって信じてたのに」

佳祐の家の玄関に手袋を投げつけた。

こうして、2度目の恋も終わった。





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