自伝
慌てて、ドアを開けた。


「どうしたの!?何で?」


「ビックリさせようと思って」


「だから、あんなに帰れって言ってたんだ」


「ありがとね」


いきなり、抱きついてきた。


「どうしちゃったの!?」


「心配だったから。会いたくて…」


「やだぁ…(笑)」


「良かった!綾が笑った(笑)」


悟史さん…


「でも、直ぐ仕事行くんでしょ? 」


「今日は予定に入ってなかった。」


こんなに近くで悟史さんを感じた


優しいキスも


優しく髪をなでる手も


嘘じゃなかったね



夕方までグッスリ眠って、一緒に夜の仕事へ向かった。



「なぁ…もうさ、店来るの止めろよ」


「何で?」


「もう、お金使わせたくないんだよ」


「でもさ、お店に行けばいつでも悟史さんに堂々と会えるじゃん」


「そっか…結婚してるの知ってるんだ…」


「私だって、『まだ』結婚してるよ(笑)」


「そっか…」
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