自伝
第4章

初婚

年が明ける直前に私は会社を辞めた。


あの日、突然別れを告げた私を攻める事はなく


「幸せになれ…」


ただ、一言だけ呟いて私達はそれぞれの場所へ帰って行った。



結婚相手は


この会社に入る前にアルバイトしていた先で知り合った、平沢亮という5才年上の人。

彼は、私の良き相談相手だった。


週末 早瀬さんと会えないで凹んでいた私をいつも、励ましてくれたりどこかへ連れて行ってくれた。


だから、今まで週末に早瀬さんに会えなくても寂しくは無かった。


彼は小さな運送会社の跡取りだった。
会社を継ぐ前に社会勉強で色んな仕事をして来た。

最後のバイト先でもあった事から、真剣な姿勢に尊敬もしてた。

ずっと、私を支えてくれて来た人なのだ

早瀬さんとの事で悩んでいた秋に突然彼から、告白された。
その熱意は今ならストーカーと言われる位だと思う。


相談相手としてしか見る事が出来なかった私は彼の思いを受け入れる事がなかなか出来なかった。


何よりも、早瀬さんを愛してた私には重い程だったし…。


早瀬さんと奥さんが仲直りした話を聞いた日に亮から電話が来たのが私の気持ちをひるがえしたきっかけとなった。
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