優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
「大雅」


『なんだ?』


「今日なんだけど…」





あたしの携帯に耳を近づけて大雅の声を聞こうとしているリカ。


やめたい…。





『今日がなんだよ?』


「あのさ、リカも一緒に夕飯食べてもいい?」


『………ああ』


「じゃ、リカの分もお願いね」





電話を切ると隣でピースをしながら喜んでいるリカ。


あたしも笑顔を見せたいのに無理そうだからトイレに行くと言って教室を出た。





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