優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
「大雅」


「あ?」


「ひとりで大丈夫だから、ほんとに帰っていいよ?」






帰っていいって言うのは今日だけで何度目だろう?



いてくれるのは何だかんだで嬉しいけど、そばにいてくれても遠くにしか感じられない。






「雪穂、大丈夫?」





カーテンをあけ顔をのぞかせたカナ。



お見舞いにきてくれたんだ…。





「カナ」


「リカから聞いてびっくりしたんだから」






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