優しい嘘−最低な兄に恋して−【上】
あたしは翌朝、大雅に迎えにきてもらって退院した。



結局、入院は10日間で久しぶりに大雅の家へ戻ってきた。



今日だけは…今夜だけは…女の子を連れ込まないで。



そう願っていたけど、大雅はそんな願いも聞いてくれなかった。



となりの大雅の部屋からは久しぶりに聞く他人の甘い声が聞こえてきた。



あたしはiPodで音楽を聞き、涙を流した。




分かっていたけど…。


覚悟はしていたけど…。



それでも期待の方が大きかったみたい。






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