チューリップ
ガチャっ  「ただいま・・。」

家の中はシーンとしている。(もしかして誰もいない??)

淡い期待を胸にリビングへと足を運んだ。しかし、その期待もすぐに崩れた。

「あら、お帰りなさい。おやつ食べる_??」

そこには、ソファーに座ってテレビを見ながらくつろいでいるお母さんの姿。

私は、「うっううん、いらない!!」とだけ残して自分の部屋へと直行した。

部屋のドアを閉め一息ついた。(あぁ、危なかった・・)心から安心したのもつかの間。

「ちょっと希~、テストの点数見せなさい。」鬼のような声が一階から聞こえてきた。

私は必死にごまかす理由を考えた。「ごっごめん。テスト学校にわすれた。」

出来るだけ冷静に言う。すると、「あらそう。」とだけ残してお母さんは残してそれからは何の声も聞こえなくなった。

もう一度テストの問題を見つめる。「こんな問題解ける訳ないジャン・・。」

思わずそう呟いてしまった。
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