キミは絶対、俺のモノ。



「なっ…」



驚きのあまり、目を見開いた。

霧島くんの、いつになく真摯な瞳と目があって。


視界に映るのは、霧島くんの、顔、で。



「あ、あの、近─…」


「そうだね、近いね。

でも当然だよ? 俺が近づけているんだから。」



間近に迫る美しいお顔、ちぢめて美顔に、免疫なんて皆無の私は、「や、…あ、」右足を一歩、後ろへと下げて、尻込みをする。

が、



「おっと。」



逃げてもらっちゃあ困るよ。てんで困っていない口調で言われ、今度はにゅるりと腕が腰に回され、「ふぎゃ…!」がっちりホールド。


今の構図。


空き教室に絡みあう男女ふたり。

男の左腕は、女の腰へ──、右手はしっかりと女の顎を捉えている──。


意味ありげな視線で、見つめ合って──…。


ああなんて恐ろしい光景なのでしょう。


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