キミは絶対、俺のモノ。
「ねえ、聞いてるの。」
尼崎紗希(あまがさき・さき)。
この春から中学二年生。
最近気になる言葉は"四民平等"です。
…嘘です。
「ハア。ちょっと聞いてるの? 聞こえなかったわけ?」
くるん、と。
無駄に! 無駄に長い、赤茶けた髪を指先で絡めながら、奴は言う。
奴の名前は、私の宿敵こと――霧島楓(きりしま・かえで)。
あやつと私との因縁は、決してここでは語り尽くせないほど深いものである。
嘘なんかじゃない。
ていうか、霧島くん。
貴方、ムスッっと唇とんがらせてもサマになるとか、まじしんでほし「何かな? 尼崎サン」 …いやなんでもありません。
短気すぎるだろ。