かけがえのないキミへ


数十分後、リビングに現れた大きなホワイトボード。
よく塾などにあるものと同じだ。


『どういうこと?』


俺は唖然としたまま、親父に聞く。
親父は腕まくりしていたカッターシャツを戻しながら答えた。


『必要なんだよ、どうしてもこれが。あっあと、お前の寝室の隣に、空き部屋があるだろ?』



『…あぁ…』


確かに、余っている部屋はいくつかある。
必要がないので、空っぽ状態になっていた。


『その娘さんに使ってもらうから』


隣かよ…
なんで?もういいや。
俺は半分諦めかけていた。なにを言っても通用しないから。



『で、明日その娘さんが引っ越しに来るから。明日は休日だから丁度いいと思ってな』


スーツを羽織りながら言う親父。
俺は頷くだけ。



だけど…この親父の再婚で─…何かが変わろうとしていた…


リビングにある新品のホワイトボード。
その意味を知るのは、
明日─……




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