かけがえのないキミへ
白すぎるホワイトボードによく映える黒の綾音が書いた文字。
《これからよろしくね》
俺はこの言葉が理解出来ずにいた。
ただ綾音を見つめて、俺の時間は止まっているように思えた。
綾音も俺を見つめて、にこにことしている。
相変わらず可愛いな。
窓から吹き込んでくる、柔らかい風が綾音の髪の毛を靡かせる。
その風にのって、綾音のシャンプーの匂いが漂ってくる。
『…え…、綾音の母親が…俺の親父と再婚したってわけ…?』
綾音の顔を見ていると何故か照れてくるので、俺はホワイトボードに視線をずらして聞いた。
ちらりと綾音を見ると、綾音は首を縦にして頷いた。
『そっか…』
その返事を聞いて、残念な気持ちはなかった。
むしろ嬉しい気持ちの方が大きかった。
だけど、竜也のあの悲しそうな顔が蘇る。
綾音は、もうヒトのモノだ。
なに喜んでるんだよ、俺。