かけがえのないキミへ
だけど夫は私の要求に応えてはくれなかった。
大きく手を上げて、綾音のピンク色の頬に、夫の手が思い切り当たった。その反動で綾音は崩れ、畳の上に思い切り叩きつけられた。
その光景を私はただ呆然と見ることしか出来なくて、次第に夫の足を掴む手が緩んでいく。
『あ…綾音!!』
痛い体を無理矢理起こして、横たわる綾音のところに向かう。
綾音は目を閉じて、口を噛み締めていた。
ピンク色の頬が、今では真っ赤になっている。
私は強く強く、綾音を抱きしめた。
そしてキツく夫を見る。夫は私たちを嘲笑う。
あなたはもう人間じゃない。
『綾音、ごめんね…ごめんね…』
『お母…さん、綾音は大丈夫だよ?お母さん…痛かったでしょ?』
こう言って私の頬を撫でてくれた。
傷だらけの頬を、小さな綾音の手が…包み込んだ…