かけがえのないキミへ

綾音に会いたい気持ちが増していく。


『あやちゃんに早く会いに行けよ…』


竜也には俺の気持ちが読めるのだろうか?
俺が思っていたことと同じことを言った。

俺は竜也を見て、首を横に振った。


『竜也を置いて行けるわけねぇだろ?』


『行けよ。てか俺そんなガキじゃねぇし!』


いつの間にか、頬を伝っていた涙は渇き、いつもと同じ、元気な竜也に戻っていた。

背中を強く叩き、俺を綾音のもとへと行かせる竜也。


『ほら!早く!俺のことは気にすんな!』


『…お前一人になったら泣くだろ?』


『泣かねぇし!』


俺は一歩、ドアへと近付いた。
そしてもう一歩。

ぐいぐいと竜也に押され、あっという間にもうここは部屋の外。


『じゃあ…行くな?』


『おう!頑張れ!』


竜也に笑顔を見せて、背中を向けた。
すると突然竜也が俺の腕を掴んだ。


『俺さ…あやちゃんとキスしてねぇから…あれ嘘。怜の反応が見たかっただけ。やっぱりキスすんのは好きな人のがいいだろ?』



『…竜也…』



『怜、あやちゃんをよろしくな!!』




竜也…ごめん…
こんな俺を許して欲しい…


俺は光が射すゴールに向かう。

その先には綾音がいるから…


綾音を幸せにするよ…



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