かけがえのないキミへ
綾音のメールを見る度、俺からは笑みが零れ落ちる。
そんな頃、梨花がベッドで大きく寝返りをしていた。
梨花を見た瞬間、心の中の俺が俺を醒まそうとしていた。
『お前、なにしてんの?こんなことしてていいわけ?』と俺を醒ましていく。
『なにしてんだろ…ほんと…』
俺は縮こまって小さく後悔を呟く。
綾音が気になるのに、そんな気持ちが芽生えだしているのにも関わらず、また女を抱いて、女を満足させて。
梨花の部屋を俺から吐き出したため息で埋め尽くしていく。
俺は裸の体に制服のカッターシャツを羽織り、帰る支度をしていた。
『…怜?』
物音を聞いたのか、梨花がシーツで体を隠し、俺を不信そうに見つめた。
『帰る。もう遅いし』
ネクタイを締めればあとは完璧だったのに、
梨花は俺の行動を引き止めた。