かけがえのないキミへ


頭の中に浮かんでいるのは、綾音がシャボン玉を飛ばす姿。

綾音、素敵だよ─…


今日は快晴。
何色に染まるのかな?
今から楽しみだった…


…つまらない授業も、淡々と過ぎていき、もう帰る時間。
竜也は今日もまた、慌てて教室から出て行ってしまった。

きっと好きな人のところに行っているのだろう。

竜也は偉いよ。
好きな人のところに真っ先に行って…
俺なんか、今から好きでもない人のところに行く。 この憂鬱な気持ちを胸に抱いて。


生徒たちがもういなくなった、夕方の5時。
俺は一人でこの時間になるのを待っていた。
時計の黒く太い針が、12になるとき、俺は教室を飛び出した。


憂鬱はまだ消えない。

そして辺りを気にしながら、暗闇の保健室へと入って行った。


保健室に入ると、カーテンがしてあり、暗くなっている。

いつもこうだ。



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