狼クン達のオリの中③【完】
でも……。


「だから、さ。
もう忘れなよ。
涼兄のことは」


サバサバとそう言って。


それから薫は、トコトコと、あたしの元に歩いてきた。


そして、なぐさめるように……。


優しくくしゃっと、あたしの髪を撫でた。


「その方が、お姉ちゃん。
絶対幸せになれるから。
だからボクを……代わりにしなよ。
涼兄の……代わりに、しなよ」
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