君に恋した瞬間、
□関係□
「ねーねー!聞いてよ、俊平」
「何?」
「先輩がね、あたしの事面白い子って言ったんだよ!ねぇー、あたし面白いのかなぁ?・・・先輩にはあたし、可愛いって言われたいのに~」
あれからちょっと経ったある日の帰り道。
いつものように、杷仔俺に先輩の話をしてくる。
先輩には、可愛いって言われたい。
この杷仔の言葉が、ひどく心に響いた。
杷仔の中心は、先輩で回っている。
杷仔の心をずっと引きとめて離さない先輩が少し憎い。
「へぇ」
その甘い空気に耐えられなくなった俺は、いつの間にかポケットに入れていた携帯をいじっていた。
ただ、杷仔の話から逃れたかった。
俺は、意外と卑怯な奴かも知れない。