君に恋した瞬間、
てかさ・・・作ろうとか一つも思わないんだ・・。
ま、そっか。
忙しくて普段外食ばっかだから、考えたりとかしないんだよな・・。
きっと。
「だから言ってんじゃん?あんた一人でしなって」
無理やり、さっきよりも強く腕をふる。
放心状態のその人を俺は睨みつけ、自分の部屋へと歩き出した。
部屋に着くと、鞄を投げベッドに寝転んだ。
ギシッと音をたて軋むベッド。
「いきなり帰ってきて・・・母親面すんなよ・・・」
ぎゅっと締め付けられるような思い。
もやもやと、むしゃくしゃ。
すっごいムカついて、すっごい腹が立つ。
けど・・、正直少し期待してた。
俺を怒って叩いて、無理やりにでも連れ出してくれるかも知れないって期待してた。
だけど、あの人は何もせず、ただただ笑っていた・・。
なぁ、これって・・・家族って言うの?
親子って言うの?