君に恋した瞬間、
その人は怒ったように顔を歪めたが、それは一瞬のことで。
また、さっきのようにニコニコと笑い出した。
「もう、お母さんに向かって何言ってんの~?俊平は、いっつもつれないなぁ」
・・・嘘臭いんだよ・・その笑顔が・・。
なんで子供にまで、営業スマイル向けてくんの・・・?
「さーて!晩御飯どうしよーか?食べに行く?それとも、頼む?」
リビングに投げていたバッグを掴み、俺の手をひく。
何?結局、食べに行く気なんじゃん・・・。
選択肢なんて、存在してない・・。
「行かない、一人で行けば?」
冷めたように鼻で笑って、俺はその人の手からするっと抜け歩き出す。
そんな俺の腕をまた掴む。
いい加減しつこい・・。
「じゃ、頼もうか!何がいい?俊平は何が好き?」
・・・子供の好きなもんもしらねぇーの・・・?
それって、親って言えんの?