君に恋した瞬間、
片手を挙げて後ろにいるであろう杷仔におくる。
これ以上好きになったらいけないはずなのに、俺の心は正直で杷仔の声を拾ってしまう。
杷仔の姿を追いかけてしまう。
これじゃ駄目だと思っているのに、どうしても杷仔から・・・俺の気持ちを離せないんだ。
教室のドアをガラッと開けると、丁度授業の真っ最中だった。
遅刻が珍しくない俺は、もう呆れられているから何も言われない。
クラスメイトも、「あ、きたか」程度のもので一瞬俺を見たらすぐに前を向く。
スタスタと、後ろの自分の席に座った。
「俊平、また遅刻だな」
これで、2年にあがって5回目だぞ!と指を折りながら数える馬鹿。
「んーだな、俺本当は10時間ぐらい寝ねーと元気でねぇー」
そういうと何も置いていない机にだらんと伏せる。