ナンパ男との恋 1巻
そう話してる間に
車は走り始めた。

・・・・ん?

見慣れた道・・・

「ほら、到着。
斜め前って事は
あそこか?」

「いえ、そっちじゃなくて
こっちです。」

「あ~、こっちか。
オッケィ。
家が分かれば
今度から迎え来れるから
安心しろ」

また 大きな手が
頭をポンポンとすると同時に
甘い香りが ふわっとする。

「ありがとうございました。」

「どういたしまして。」

車のドアを開けようと手をかけると

「おい?春菜
忘れてねぇか?」

バッグは持ってるし・・・

「忘れ物ないですよ?」

「あ~・・・
春菜はガキだから
分かんねぇか。
いつものペースじゃ
お前は扱えないな~
あはははは」

また ガキ扱い・・・・

それに いつものペースって
いつも・・?
かなり引っ掛かる言葉なんだけど・・

「それじゃ・・・」

「あー、待て待て。
ほら、こっち見てみ?」

振り向き 顔を見ると
また不意打ちのようなキス。

だけど、

・・さっきと違う・・!?


「ん・・・ん~!?
ふっんっ、ちょっと・・」

「これは さすがにガキには
刺激強すぎたか?ははは
ごちそうさん。じゃぁな~」

走り去る車の後ろを見ながら
ただ、変な余韻に浸り
数分 夜中の道で立ち尽くしていた。


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