ナンパ男との恋1
いつもなら
8時過ぎに
もうすぐ着く。
なんて電話が来るはずなんだけど

待っても、待っても
電話すら鳴らないし・・・

もう9時前・・・

考えてみたら
電話がくるとは限らないわけだし・・・

もしかしたら
その用事が終わって
10日後に電話がくるのかもしれないし・・・

こういう風に考え始めたら
私のマイナス思考は
留まる事を知らないのだ・・・

「春菜?」

部屋の扉が開いたと同時に
お母さんの顔が覗き込んだ。

「なに?」

「あんたの彼氏が
外で待ってるけど
出て行かなくて平気なの?」

「彼氏?
は?ちょ、ちょっと
何 どういう事?」

「だから・・・彼氏。
たぶん もう20分くらい待ってると思うんだけど・・
ケンカでもしたの?」

「そんなのしてないし。
っていうか 知らないし。
本当に輝樹?」

大急ぎで外に出ると
たしかに 輝樹の車が
家の前に停まっていた。
窓が開いたと思ったら

「おせぇよ・・・
早く乗れ」

と、
不機嫌な様子だけど・・・



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