「はぁ、なにそれ?少女漫画じゃないんだからさ!」
不機嫌そうに、自分の杏仁豆腐を口に運ぶナオ。
 先に食べ終わった私は、物欲しそうにナオの杏仁豆腐を見る。
「話せって言ったの、ナオでしょ」
「ウソをつけなんて、言った覚えはないから」
「ウソじゃないよ。全部真実だって」
困ったなぁ。全然信じてくんないよ。本当なのに。
「こんなラブ。羨ましすぎ」
悔しそうに杏仁豆腐を口に流し込むナオ。
 勿体ないなぁ。味わって食べろよ~。
「ナオだって、彼氏いるじゃん。なんていったけ…。あぁ、そうそう。ショウタ君だっけ?」
「ちょっと!あたしの話はどうでもいいじゃないのさ!今はユイの話しをしてて…」
「私には話せって言ったくせに、自分の話はしないんだぁ。ずるいんだ~」
うっと、ナオが言葉に詰まった。
 勝ったな。
 なんて心の中でガッツポーズをしてみたり。
 あぁ、私って幸せ者ね。なんて、思ってみたり。

< 13 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop