Wデート
 「本当に会わせてくれるんだろうねぇ」
「もう、疑り深いんだから~。ショウタ君からもなんか言ってやってよ~」
その日の放課後、私たちはWデートをする事になった。もちろん、タクのOKも出てる。
 タクはバイトに部活に忙しいみたいだけど、私のお願いを断ることは、よっぽどのことがない限りない。
 私だって、タクが無理してることぐらい知ってるし、無理されるのは嫌だから、あんまりお願いしないことにしてる。でも、たまには…。
「友達は信じるべきだと思うよ」
ナオの隣に座っている、ちっこいのがショウタ君。背がとっても小さい。確か、女子の平均にも満たなかったような…。実際、ナオの肩ぐらいしかない。そのくせ、バスケ部らしい。
 ここだけの話ね。絶対私が言ったなんて言わないでね。
 バスケ部の試合を見に行った時に、ナオがショウタ君に一目惚れしたんだよ。
 それで、友達がらみで仲良くなっていって、クリスマス、巨大ツリーの前で告られたんだって。
 そっちの方がロマンチックで、少女漫画かって思うよ。
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