甘めな年下くん☆
資料室から聞こえる。
あたしは、ドアの隙間から覗いてみた。
「あッ!ン」
急いで口を手で覆う。
目の先に居るのは那智だった。
「友達、からならいいですか...?」
か細い、今にも泣き出しそうな声がする。
「いいけど...僕好きな人、居るんです」
んっ???好きな人ぉぉ??
那智に!?
その瞬間、ドキッとしたけどチクリと胸が痛んだ。
何で、チクッてしたの?
「知ってます....あの人でしょ?」
女の子の声が強くなる。
ドアの隙間から覗いているから、女の子の顔までは見えない。