もっと、生きてほしかった……
ギィ〜
乾いた音とともに屋上の扉が開かれた。
中から、昂が出てきた……。
かなり気まずそうな顔をして………
こう見ると、やっぱりお互いまだ好き同士っぽいのになぁ…。
「何?話って…。」
目も合わさず言う昂……
そんな昂に、夏歩は……………
「急に呼び出してゴメンね!
ちょっとお願いがあるんだけど……
昂の幼なじみっていうその女の人と逢いたいの!」
夏歩の言葉で、昂はこれでもかってくらいに目を見開いた。
「はっ…?」
「だーかーら!
逢いたいの!
ねぇ、ケータイ貸してよ。」
なおも攻める夏歩。
そんな夏歩に、昂は後ずさりするように離れていく。
顔は真っ青だった…。
私によると、
バレるのが怖いって感じだね。こりゃ。
仕方ない。
夏歩の手助けに回るか。
昂が気づかないように後ろに回り、ケータイを握りしめていた手からケータイを奪った。
「あっ!」
「夏歩、はい!」
そして、私は夏歩にパスし夏歩は走って屋上を出ていった。
バタンッ
「美波!
何すんだよ!!」
いかにも怒っている昂。