月と太陽の事件簿14/隙間女の視線
星野警部補や越沼さんも表情を引き締める。

あたしは何気なく襖に貼られた女の絵を見た。

範子の話にあったように、髪の長い、口もとに笑みを浮かべた女の絵だった。

碧い瞳も同じ。

その碧い瞳と、ふと目が合った。

なんだか絵の中の人物に見つめられたような気がして、あたしは一瞬、身震いした。

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