インターン・シップⅡ
バケツをひっくり返したかのようなこの大雨に打たれて1人佇むサツキちゃん。
びっくりして、この数分の間に何がどうなってこうなってんのかわかんねぇけど、頭で考えるより先に体が動いた。
「サツキちゃんっ!
何やってんだよっ!中入ってっ!」
俺も雨の中に飛び出し、サツキちゃんに駆寄ると中に入ろうと腕を掴んだ。
だけど、グッ…と力をいれてその場に立ち止まるサツキちゃん。
「サツキちゃん…?」
そのありえない行動にびっくりしつつサツキちゃんを振返って見れば、サツキちゃんは俯いたままそこを動こうとしない。
もう一度声をかけ、俯く顔を覗き込めば…。
うっすら赤くなってる頬。
そしてその頬を濡らす……涙。
雨かとも思ったけど、兎みたいな赤い目が泣いてる事を語っていた。