血塗られたジャージ
しかし彼は来なかった。

隣の専務には挨拶をしていたにもかかわらずである。

彼は自分の机に私の参考書を置いたまま、

私には挨拶もしないまま去って行った。

お願いしていた仕事の進捗状況も教えてもらえなかった。

半年間、やっぱり私は軽く見られていたのだなと思う。

なんだか悔しかった。

外勤のときの私ならきっとこんな思いはしなかったと思う。

いや忙しすぎて気付かなかっただけかもしれないが。
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