in the dark†短編†

切望

「ミツキっ!」

シュウから逃げ出して、暗闇を走った。

「待てって!」

シュウの声が追ってくる。

ダメ。

捕まったら、きっと天国に連れて行かれちゃう。

そんなのやだ。

どうにかして

戻りたい。

一瞬でもいい

一言でいいから

話をさせて

ふっと何も見えなかった視界に、小さな光が映った。

誰かいる!

ぼんやりした灯りの中に、髪の長い女の人の後ろ姿が見えた。
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