in the dark†短編†

後悔

「ねぇ」

前を歩く、死神に呼び掛ける。

彼はちらっと私を見て、また前を向いた。

「シュウ」

「は?」

「俺の名前」

……ああ、名前か。

いきなり名乗るから、何かと思ったよ。

「え、と。私はミツキ」

「ふうん」

なんだか気のない返事だ。

私は、少し迷ってから、また声をかけた。

「ねぇ、シュウ」

「なに?」

「少しだけ待ってほしいの」

シュウの足が止まる。

彼は身体ごと私を振り返った。

「なんで?」
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