雨の雫


『しぃちゃん……―。』



しぃちゃんは幼なじみで
私の大好きだった人。

初めて付き合ったのは
しぃちゃんで……―。


というか私の中でしぃちゃんが
好きっていう気持ちがあったから
しぃちゃんを忘れようとした恋は
全部、上手くいかなかったのかも
しれない……―。




私がお母さんに見捨てられた時、
私にはしぃちゃんしか
いなかったのに……―。



しぃちゃんはなんで
ドコか遠いところに

いってしまったんだろう……―。




『あら、知り合いだったの?
 じゃあ、話ははやいわね!!』

ひょこっと優菜さんが顔を出す。


『掃除、大変でしょ?』

『えぇ……―。まぁ。』

困り顔のしぃちゃん。

『あそこ、幽霊屋敷だから。
 すごい汚いのね…。やっぱり。
 そうね!!美奈、アンタ
 手伝ってあげなさい!!
 そうしなさい!!
 じゃあ、間違ってつくった
 お弁当あげるから、
 いってきなさい!!
 あとクリーナーと雑巾!!
 ほれ、いってきなさーい♪』


え?嘘……―?!
しぃちゃんと2人……―。


気まず――。。

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