私の青春捧げます
《馬鹿だアイツは!!》

担任と顔を会わせるのは危険過ぎる。今度は何をされるか分かったもんじゃない。

しかし、鞄の中には財布とカギ、定期など帰る為の手段が全て入っている。

取り返さねぇと帰るに帰れねぇ

意を決して部屋の扉を開けた。

ガチャ

『返して下さいよ。その鞄は自分のです。』

扉を開け放ったまま室内に向かって声をだす。

やはり使っているのは担任だけなのだろう。目の前の男は資料などが乗せられた机の前の椅子に偉そうに座っている。

「まぁ座れや。前にも言ったが話したいと思ってた。」

そう言って近くにあった椅子をそばに引いてきた。

『話すコトなんてありません。鞄返して下さい。あと、腹が痛いんで今日は帰ります。』


「はぁ~…その口調ムカつく、昨日みたいに本性みせろ。別に咎めねぇよ。」
< 10 / 16 >

この作品をシェア

pagetop