いつか、桜の下で…



―…数日後。



学校が終わるチャイムが鳴り、私は久美のところに行った。



「帰ろ?」



そういうと、久美は苦笑する。


「ごめんっ、今日はちょっと…」



「そっか…。気をつけて帰ってねっ」



なぜだか久美は嬉しそうに私を見ている。



「久美?」



「陽菜、なんだか優しくなったね」



「え?」



「あっ、いや!陽菜は前から優しかったけどっ。…なんていうんだろ?」




…もしかして、香織さんの事に踏ん切りがついたから…?



「んー、うまく言えないけどねっ!…あ、私もう行くね」


「うん!じゃあね」


久美は、時計を見て教室を出た。



それから、私は三浦君達と帰る為に、待ち合わせ場所である中庭に向かう。




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