赤と青。
ねぇ、こっちを見て?
「あ、朱也《アカヤ》」
あたしは今日もあなたに話しかける。
「・・・葵《アオイ》か」
あなたはいつも無表情であたしを見る。
「宿題写さして?」
顔を斜めにしてお願いをする。
「ん」
アカヤは宿題のノートをあたしに渡すと、スタスタと歩いて行った。
「ハァ・・・」
今日もか・・・。
今日もアカヤはあたしを見てくれなかった。
「アオイ」
親友のなっちゃんが悲しそうに話し掛けて来た。
「なっちゃん・・・またダメだった」
あたしはなっちゃんに抱き着いた。
そんなあたしをなっちゃんは頭を撫でてくれた。