愛と云う鎖
ヨーゼフの体は青年によっていとも簡単に飛ばされ壁に打ち付けられた。
王と兵士達が慌ててヨーゼフの元へと駆けて行った。
「ヨーゼフ…ヨーゼフ…」
痛々しい姿となった愛しい弟を、マリーは放心した状態で見ていた。
「さあ、来い」
青年は冷淡に命令すると、マリーの腕を強引に掴み連れ去った。
マリーが居なくなった部屋の絨毯には、水が染みた様な跡と転がったワイングラス、その周りに色鮮やかな花々が散っていた。