キミがスキ
その日の夜、消灯時間を過ぎてから、さゆりから着信があった。





その声は泣いていた。





「歩椎……


昼間はごめん…


違うの。


単なる八つ当たりなの…。」



「え?」



「うちが自転車止めてって言ったの。


しかも結構強めに言ったから、歩椎も慌てて止めてくれたんだよね…


うちが強引に歩椎のチャリに2ケツして駅まで送ってって頼んだの。


歩椎も普通に帰ってたら事故らなかったの…ごめんね」




昼間とは別人のさゆりがいた。


そしてこれは、いつものさゆりとも別人だ。



こんなに小さく細く喋る奴じゃない。




「うん、いや、さゆりが何と言おうとも、俺が悪いんだ。ごめん。」




「謝らなくていいよ。


それともうひとつ。



寛太に振られちゃった。」




「え…?」




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