¥時給1000万円
更衣室に戻ると自分の服を見ては驚いた。
あんなに白かった服がたった1日で他の従業員と同じ色に染まった。
脱ごうとするがまだ乾いていない部分と肌が所々 触れては嫌な気持ちになる。
寝室に行くと、永井を冷やかした金髪の男が頭を抱えてベッドの上で一人座っていた。
静かに自分のベッドに戻る。
「……クソッ…」
時々小さな声でそうつぶやいていた。
そして閉じていた目がこちらをジロッと見てきた。
「…なんだよ!!」
顔を大きく出してそう言っては、横になってすぐに布団にくるまった。
声を出そうと思ったがやめた…。
ただ気になって仕方がなかった…
自分もベッドに横になってからというものの何度も彼の後ろ姿を見た。
「…なぁ……どうしてお前が今日生き残ったのか分かるか……?」
「…えっ…!?」
突然話しかけて来たため驚く。
「……う〜ん……」
あの部屋を出た時のことを思い巡らす…。
俺が生き残ったと決まった瞬間、大部分の客が持つ何百万・何千万ものお金が目の前で没収された。