¥時給1000万円
「…うそ………」
横田と渡部は冷静になろうとする…
隣り合わせに繋がれる二人は顔を合わせる。
違う!何かの間違いだ…!
そんなはずはない…!
「…うおオオオォォオォーー!!!」
「…離せー!離せコノヤロー!」
二人は力ずくで鎖から抜けようとするが、強く抵抗しようとすればするほど手首や腕に食い込んでしまった。
浜風は目を閉じて静かに 死を待った…。
あの兵士が近づく…。
「…なぁ…」
「えっ!?」
渡部は抵抗をやめて、息を切らしながら横田に話しかける。
渡部と話すのは初めてだ。
「…お前……はぁ…はぁ……もしかして…今日でここを出れるはずだったか…?」
渡部にそう聞かれてピンときた。
「……ま…まさか!!」
「…あぁ…そういうことだよ…」
永井はその会話を横で目を閉じながらも聞いていた…
「…じゃあな…」
「………嫌だ!嫌だー!!」
3人の兵士が並んで刃を振り上げた。
「…おいっ!やめろ!!…やめろオォォーー…!!」
渡部の首が切られるのを見てしまった…
ゆっくり落ちていくのを見た…
更にその瞬間、自分の首にヒンヤリとしたものが通っていくのを感じる…。
終わりだ…
結局オヤジ…どこ行っちまったんだよ…
今でも鮮明に父の顔が浮かぶ。
結局自分の目的は見失っていた。