¥時給1000万円


「…9位!」

やっと…終わる……


「…4票で…」





永井に対してあんなこと言っちまったけど…
もう…そんな嫌みったらしい自分とも おさらばだ…









「…横田っ!!!」


「…っしゃーーー!!」
両手を挙げて自分への歓声に浸った。

心なしか いつもより歓声が小さい。


でもそんなこと関係ない!
とにかく自分は通過した…!!



「…そして同票…渡部!」
この瞬間 浜風の『クビ』が決まった。

渡部が叫ぶ。
「よっしゃー!通過だーー!!」
歓声はほとんど聞こえない。
まばらな拍手だけだ…
何かがおかしい…静か過ぎる…!



「…ちょっ…ちょっと待て!!」
ここで浜風が割り入ってくる。


さらに静かになる部屋…
渡部と横田のはしゃぐ声が僅かに聞こえるぐらいだ。














「………俺も4票のはずだ…」



浜風の暗い声が頭の中で何度も響く…
そして渡部、横田の声が止まる。
「…え…?」


「…そうなのよー…今回は………………3人とも同票だったの!………ということで……その3人は………………『クビ』!!」
その瞬間 部屋中が歓声に包まれる。

「…あぶねー!」
「俺またスッちまうとこだったよー!ハハハッ!」
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