涙の雨

「嫌いって言ったら嘘になりますけど、前よりは気持ちが薄くなったような気が…します」



好きだけど
愛してるまではいかない



でも、望月の存在はいつも頭の片隅にあった



保健室の前を通る度に

望月の姿が目に入ってくる度に



何かを期待してしまう自分がいた



教師と生徒なんだからと

自分で言ったクセに…




「そっか…、でも好きな気持ちは残ってんだな」


山田は少し寂しげに笑った


「―でも!先輩にはいろいろと相談乗ってもらって、ホント有難いです!」


何故か必死になって話す俺


「別に大した事じゃねぇよ。俺は遼太の事が…気になって仕方ねぇんだ」


山田は横目で俺を見ながら言った



―ドキッ!




その目線と言葉に

心臓が大きく動いた



「尚輝の事で辛い思いとか悲しい思いとか、寂しい思いとかしてねぇかなって、いつも遼太の事考えてる。頭からお前の存在が、離れねぇんだよ」



ドキンドキンドキンと

鼓動が更に速くなってくる
< 130 / 195 >

この作品をシェア

pagetop